堺市の?虫歯について

堺市北区新金岡 永山歯科医院 院長の永山です

開院して1年が経ち、堺市の多くの患者さんを診察させて頂きました。

その中で、今までの感覚と違うなぁ… 思った通りの結果が出ないなぁ… と感じたことがいろいろありました。

今回は虫歯についてお話しようと思います。

 

子供の虫歯については、最近は少なくなっているというのが定説で、堺市ではありませんが以前に学校検診のお手伝いに行ったときもそう感じました。

しかし、実際に小児のお子さんを診てみると、確かに真っ黒な穴だらけの子はまれなのですが、歯と歯の間に小さな虫歯がある子が多く、本人もお母さんも知らなかった!と言われることをよく経験しました。

子供の歯はそのうち大人の歯に生え替わって抜けてなくなるから虫歯になっても大丈夫!と思われるかもしれませんが、虫歯の中にはバイ菌がうじゃうじゃいるので、子供の歯に虫歯があると、生えたての大人の歯(特に6歳臼歯)も虫歯になってしまう確率がかなり高くなってしまいます。

早期発見、早期治療とよく言いますが、子供の歯のうちに虫歯治療をしっかり終わらせておくことは、将来大人の歯が生えそろったときに虫歯ができるだけ作られていない状況にすることにつながるので、ある意味、究極の予防法(理想は虫歯ゼロ)になるということです。

大人になっても虫歯で困られている方も、よくよく考えるとこの時期にできた虫歯のやり直し(の繰り返し)であることが多いのではないでしょうか?

かつて学会である教授が虫歯のことを「人類の業病」と言われていました。

子供も大人も虫歯になりやすい方がお口の環境を変えて新たに虫歯を作らないようにするには、歯磨き(めんどくさい…)、食習慣(甘い物が好き)、生活習慣(おやつをだダラダラ食べる)の見直し、定期的なメンテナンスに通う(仕事や子育てで忙しい…)など、意思の強さ的にはダイエットやスポーツのトレーニング並みの努力を必要とするので、いろんな誘惑のある現代ではなかなか大変なことです。

歯の知識をお伝えして健康に対する意識を変えてもらい、楽しく通える環境を作ることで根気強く一緒に虫歯予防に取り組んでもらえるように、患者さんだけでなく自分も「業」の部分と向き合って日々努力していこうと思いました!

 

それから、大人の虫歯でいうと、「神経を残す処置」の難しさを感じています。

というのも、今まで(開院まで)なら神経近くまで達した深い虫歯でもひと手間かけてなるべく神経を抜かずに保存していた(実際、成功率は高かった)のですが、開院してからは同じようにやっても痛みが出たり、すっきりしなくて結局神経を取るようになることを度々経験しました。

しばらく原因がわからなかったのですが、ひとつの可能性として、しばらく歯医者に通っていなくて虫歯が進行しすぎていたため、まだ症状はひどくないけれども虫歯菌の影響がすでに神経に及んでいたのではないか?ということに気づきました。

虫歯の治療をするときにはまず神経の状態を調べるのが原則なのですが、これは100%正確にわかるものではないので、経験を加味して判断しているのが実情です。

ところが、今までは大学病院に長年通っている患者さんの診療を中心に経験を重ねてきたので、堺市の?虫歯治療を日々経験している今から考えると、どうも同じ虫歯でも虫歯菌の活動性が低かったように思えてならないのです。

逆に考えると、定期検診に通うことで普段からお口の中にバイ菌が少ない状況を作っておくと(専門的にはプラークコントロールという)、虫歯になりにくいのはもちろんですが、たとえなったとしても被害が最小限で済ますことができるのではないか?と考えるに至りました。

臨床の実感をデータにして証明することは大学で研究をしていても非常に難しいのですが、ひとつの仮説として自分の経験に取り込んで、これからの虫歯治療に役立てていこうと思います。

(実は、もうひとつ考えられる可能性があるのですが、これも仮説として自分の中でもう少し検証してみようと思います)

 

たかが虫歯ですが、いろいろ奥が深いことが少しは伝わったでしょうか?

歯の治療をまじめに考えれば考えるほど、結局は予防や定期検診(虫歯を作らない、歯周病を進行させない)の大切さに行き着きます。

一生懸命考えて頑張って書いているのにいつも同じオチになってしまう、そして言いたいことがありすぎて結局まとまりのない文章になってしまう自分の拙い文章力を今更ながら残念に思いますが、何らかの気づきにつながって少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです!

 

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